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情報の基準日:2026年9月24日/下書き:AI、編集:合同会社フーレ。制度の最終判断は各窓口、医療の判断は主治医
この記事でわかること
- 「生活費の◯か月分」という一律の目安ではなく、休職・退職したときに実際に入るお金(傷病手当金・失業保険)の額と、入るまでの空白期間から、自分に必要な生活防衛資金を計算する手順
- 傷病手当金には3日間の待期があり、失業保険にも7日間の待期と、自己都合退職なら原則1か月の給付制限があること。制度の要件を満たしても、現金が実際に振り込まれるまでには日数が空くこと
- 生活防衛資金の話は「休む・辞める前に確かめる制度」(傷病手当金・失業保険など)と合わせて考えるものであり、投資は生活防衛資金を確保したあとの話であること
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「生活費の◯か月分」では、自分の必要額はわからない
生活防衛資金について調べると、「生活費の3か月分」「6か月分」「1年分」など、いろいろな目安を見かけます。これらの目安は、何を根拠にした数字なのかが記事によってまちまちで、根拠となる公的資料はこの記事では見つかりませんでした。
一律の月数を当てはめる代わりに、この記事では「会社員が仕事を休んだとき・辞めたときに、実際にどんなお金が、いつ、いくら入るのか」を先に確認し、そこから「お金が入らない期間」と「入っても減る期間」を計算して、必要な額を逆算する手順を説明します。加入している制度や働き方によって条件が変わるため、最終的な金額は自分の状況に置き換えて確認してください。
入るお金を3つのケースで分ける
休職・退職したときに入るお金と、入るまでの空白期間の考え方は、そのときの体調と「働けるかどうか」で変わります。傷病手当金と失業保険(基本手当)は、同じ人が自動的に切れ目なく使えるわけではありません。基本手当は「就職する意思といつでも就職できる能力があること」が前提の制度のため、退職後もすぐには働けない場合はそのままでは対象にならないからです。ここでは3つのケースに分けて確認します。
- ケース1:休職中(傷病手当金)
- ケース2:退職後に働ける状態(失業保険)
- ケース3:退職後も働けない状態
ケース1:休職中(傷病手当金)
会社員が病気やケガで働けなくなり、給与の支払いがない状態で休んだ場合、健康保険から傷病手当金が支給されることがあります。以下は全国健康保険協会(協会けんぽ)が説明している内容です。
- 支給要件は、業務外の病気やケガの療養のための休業であること、仕事に就くことができないこと、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと、休業した期間について給与の支払いがないことの4つです。ただし、給与の支払いがあっても、その額が傷病手当金の額より少ない場合は、差額が支給されます(出典は同じ協会けんぽのページ)。
- 休んだ日から連続して3日間(待期)は支給されず、4日目以降の、仕事に就けなかった日から支給の対象になります。待期の3日間には、有給休暇や公休日も含めることができます。
- 支給される1日あたりの金額は、「支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均÷30×2/3」です。被保険者期間が12か月に満たない場合は、その期間の平均額と、協会けんぽが定める平均額のいずれか低いほうを使います。
- 支給される期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。
- 退職後も、退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日の前日までに現に傷病手当金の支給を受けている(または受けられる状態にある)場合は、条件を満たせば退職後も受け続けられる場合があります(継続給付)。
(出典:全国健康保険協会「傷病手当金について」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/index.html )
ここで確認しておきたい空白は、待期の3日間です。この3日間は支給の対象になりません。また、4日目以降が支給の対象になってからも、実際に現金が口座に振り込まれるまでには、申請書の提出と協会けんぽ・健康保険組合の審査という手順が入ります。この記事で確認した公的資料には、申請から実際の振込までにかかる標準的な日数の記載がありませんでした。日数の見込みは、勤務先の担当部署または加入している健康保険(協会けんぽ支部・健康保険組合)に確認してください。
健康保険組合に加入している場合の注意:上記は協会けんぽが説明している内容です。会社によっては、協会けんぽではなく独自の健康保険組合に加入している場合があります。傷病手当金の基本的な待期・支給期間・計算の考え方は健康保険法で定められていますが、付加給付(法定の額に上乗せする給付)の有無や、申請の窓口・必要書類の細部、支給までの日数は、加入している健康保険組合ごとに異なる場合があります。自分がどちらに加入しているかは、マイナ保険証(マイナポータルで確認できる資格情報)や、交付されている資格確認書に記載の保険者名で確認できます。健康保険組合に加入している人は、上記の計算式を目安にしつつ、自分の健康保険組合に直接、付加給付の有無と申請から支給までの流れを確認してください。
ケース2:退職後に働ける状態(失業保険)
退職時点で働ける状態まで回復している場合は、雇用保険の基本手当(一般に「失業保険」と呼ばれるもの)が対象になり得ます。以下はハローワークインターネットサービスが説明している内容です。
- 基本手当を受けるには、「失業の状態」(就職する意思と能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない状態)にあり、離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることなどが必要です(倒産・解雇など会社都合の離職や、正当な理由のある自己都合離職=特定理由離職者の場合は、離職前1年間に6か月以上)。
- 離職票の提出と求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から、通算して7日間は「待期期間」となり、この間は基本手当が支給されません。
- 正当な理由のない自己都合退職の場合は、待期期間の満了後、さらに給付制限の期間があります。離職日が2025年4月1日以降であれば、給付制限は原則1か月です(それ以前の離職では原則2か月でした)。
- 給付制限がない場合でも、実際に基本手当が現金として初めて振り込まれるのは、ハローワークで求職の申込みをしてから、およそ1か月後(初回認定日の約1週間後)になります。
(出典:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/help/question05.html )
「特定理由離職者」(体調不良など正当な理由がある離職で、被保険者期間の要件が緩和され、場合によって給付制限がかからない区分)に該当するかどうかは、診断書の有無だけで自動的に決まるものではなく、離職理由の認定を含めてハローワークが個別に判断します。
ケース3:退職後も働けない状態
体調が回復せず、退職後もすぐには働けない場合、基本手当は「就職する意思といつでも就職できる能力があること」が前提のため、そのままでは対象になりません。
この場合は、住所地を管轄するハローワークで「受給期間の延長」の手続きをします。ハローワークインターネットサービスによると、病気やケガなどの理由で引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その日数だけ受給期間を延長でき、延長できる期間は最長3年間です。申請は、働くことができなくなった日の翌日以降、早めに行うことが原則ですが、延長後の受給期間の最後の日までであれば申請できるとされています(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html )。
延長の手続きをしても、働けない間は基本手当そのものを受給できるわけではありません(働ける状態に戻ってから求職の申し込みをして受給を再開します)。つまり、退職後も働けない状態が続く場合、公的な現金給付が入らない期間が長くなる可能性があります。傷病手当金についても、退職前からの継続給付の条件(被保険者期間・退職時点で受給中または受給できる状態にあること)を満たさない限り、退職後は支給されません。この期間の生活費の見通しは、早めに市区町村の生活困窮者自立相談支援機関にも相談してください。
空白期間に、生活費とは別に出ていくお金
休職・退職の空白期間には、生活費(家賃・食費・水道光熱費・通信費など)に加えて、在職中は給与から天引きされていた支払いを自分で納める必要が出てきます。金額はこの記事では示さず、確認先だけを先に挙げます。
- 国民健康保険料または健康保険の任意継続保険料:退職後の医療保険は、健康保険の任意継続・国民健康保険・家族の被扶養者のいずれかを選ぶことになります。任意継続を選ぶ場合、退職日の翌日から20日以内に協会けんぽ支部への申出が必要です(出典:全国健康保険協会「健康保険任意継続制度について」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/faq/voluntary_continuation/001/index.html )。保険料の額は、任意継続なら協会けんぽ支部、国民健康保険なら住所地の市区町村の窓口で確認してください。
- 国民年金保険料:20歳以上60歳未満で厚生年金をやめた場合は、国民年金第1号被保険者への切り替え手続きが必要です。収入が少ない場合は、申請により保険料が免除・猶予される場合があります(出典:日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-03.html )。保険料の額・免除の要件は、日本年金機構または住所地の年金窓口で確認してください。
- 住民税:住民税は前年の所得を基準に課税されるため、退職して収入が減っても、前年分の納付は続きます。在職中は給与天引き(特別徴収)だった分は、退職の時期などによって、最後の給与からまとめて差し引かれる場合と、自分で納付する普通徴収に切り替わって納税通知書が送られてくる場合があります(出典:横浜市「退職後の住民税は…」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/faq/answer3.html など、自治体の案内)。納付額・時期は住所地の市区町村の税務担当窓口で確認してください。
- 家賃:契約している住宅の家賃は、収入の有無にかかわらず発生します。契約内容は賃貸借契約書、支払いが難しくなりそうな場合の相談先は住所地の自治体の窓口(住居確保のための給付制度の有無を含む)で確認してください。
- 医療費の自己負担分:通院・投薬を続ける場合、医療費の自己負担(通常3割など)は発生し続けます。自己負担が高額になる場合は高額療養費制度の対象になることがあります(詳しくは「精神科入院費用・高額療養費」の記事)。
自分の数字で計算する
生活防衛資金の必要額は、次の3つを自分の数字に置き換えて計算してください。
- (A) 空白期間中の生活費=1日あたりの生活費((C)に入れる家賃・保険料・年金・住民税・医療費を除いた、食費・水道光熱費・通信費などの日々の支出)×(収入が途切れる日から、最初の支給が口座に入る日までの日数)
- この日数は、日数を足し算して出すのではなく、カレンダーに「最後の給料日」「申請する日」「最初に振り込まれる見込みの日」を並べて数えてください。失業保険の場合、初回の振込までの日数には待期の7日が含まれます。見込みの日は、傷病手当金は加入している健康保険、失業保険はハローワークで確認できます。
- (B) 支給はあるが減る期間の目減り分=(通常の月収 − 支給される月額)× 支給を受ける月数
- (C) 空白期間に別途出ていくお金=国民健康保険料または任意継続保険料 + 国民年金保険料 + 住民税 + 空白期間中の家賃 + 医療費の自己負担分(各項目は上記の確認先で自分の金額を調べる。(A)・(B)・(C)で同じ費目を二重に数えないようにしてください)
必要な生活防衛資金 ≒ (A) + (B) + (C)
休職から退職まで続けて考える場合は、ケース1(休職中)とケース2またはケース3(退職後)のそれぞれについて(A)(B)を計算し、合算します。生活費の額、休職・退職に至るかどうか、退職時点で就労可能かどうか、給付制限の有無、加入している健康保険・年金制度によって、必要な額は人によって大きく変わります。
投資は、生活防衛資金を確保してからの話
金融庁は、家計管理の基本として、まず収入と支出を把握して収支を黒字にすること、黒字になった分を貯蓄すること、そのうえで資産状況に応じて貯蓄と投資を使い分けることを説明しています(出典:金融庁「資産形成の基本」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/invest/ )。このページに「生活防衛資金」という言葉そのものは出てきませんが、投資を検討する前に、まず黒字化と貯蓄を優先する考え方が示されています。
この記事で計算したような「空白期間に必要なお金」がまだ用意できていない段階では、投資に回すお金を増やすことよりも、上で計算した額を、すぐに引き出せる預貯金として確保することを優先する考え方になります。投資には元本割れのリスクがあり、必要なときに必ず現金化できるとは限りません。新NISAなど投資の制度そのものの説明は、この記事の主題から離れるため、新NISAの記事で扱っています。
元にした動画との違い
この記事は、YouTubeチャンネル「社畜眼鏡」の動画を参考にしていますが、内容の一部を修正しています。動画では「銀行口座に50万円、100万円あればいい」という金額が、根拠となる計算を示さずに提示されていますが、この記事では、傷病手当金・失業保険の待期や給付制限による空白期間から金額を逆算する手順を示し、金額は人によって変わるという前提にしています。また、動画にある「インデックスファンドを持ち続けた人の成績が良いというデータがある」という説明は、出典を確認できなかったためこの記事には書いていません。
困ったときの相談先
- 生活が苦しい・仕事を辞めたあとの生活が不安という相談:お住まいの市区町村の生活困窮者自立相談支援機関(自立相談支援事業の窓口)で、生活と就労に関する相談を無料で受け付けています(出典:厚生労働省「生活困窮者自立支援制度の体系」 https://www.mhlw.go.jp/content/001267439.pdf )。窓口の名称・連絡先は自治体ごとに異なるため、「(市区町村名) 生活困窮者自立相談支援」などで確認してください。
- 心がつらいとき:厚生労働省「まもろうよ こころ」のページに、電話・SNSで相談できる窓口の一覧があります(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/ )。#いのちSOS(0120-061-338・毎日24時間)、よりそいホットライン(0120-279-338・24時間)などが掲載されています。番号・受付時間は変更される場合があるため、公開直前に同ページで再確認してください。
- 傷病手当金の要件・付加給付:加入している健康保険(協会けんぽの支部、または勤務先の健康保険組合)。
- 失業保険の要件・手続き:住所地を管轄するハローワーク。
関連する本
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出典一覧
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金について」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/index.html (2026年9月24日確認/支給要件・待期3日・計算式・支給期間・継続給付の条件・給与が傷病手当金より少ない場合の差額支給を記載。申請から支給までの標準的な日数、健康保険組合ごとの付加給付の違いについての記載はなし)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険任意継続制度について」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/faq/voluntary_continuation/001/index.html (2026年9月24日確認/任意継続の要件・退職日の翌日から20日以内の申出期限を記載)
- ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/help/question05.html (2026年9月24日確認/「失業の状態」の定義(就職の意思と能力)・受給要件・待期7日・給付制限(2025年4月1日以降は原則1か月)・初回振込は求職申込みからおよそ1か月後を記載)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html (2026年9月24日確認/病気やケガで30日以上働けない場合の受給期間延長(最大3年)・申請時期を記載)
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-03.html (2026年9月24日確認/第1号被保険者への切り替え・保険料の免除制度を記載)
- 横浜市「退職後の住民税は…」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/faq/answer3.html (2026年9月24日確認/前年所得課税・特別徴収から普通徴収への切り替えを記載。全国共通の制度説明として自治体の案内を引用)
- 金融庁「資産形成の基本」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/invest/ (2026年9月24日確認/収支の黒字化・貯蓄・投資の順番について記載。「生活防衛資金」という語句の記載はなし)
- 厚生労働省「生活困窮者自立支援制度の体系」 https://www.mhlw.go.jp/content/001267439.pdf (2026年9月24日確認)
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」 https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/ (2026年9月24日確認)
- Amazonアソシエイト・プログラム運営規約に基づく開示文言(affiliate.amazon.co.jp/help、2026年9月24日確認)
訂正履歴
- なし(初版・2026年9月24日)